2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域間交通における運輸施設の効率的配置に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17730149
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大橋 忠宏 弘前大学, 人文学部, 助教授 (70312478)
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Keywords | 国際航空輸送 / 運輸施設配置 / 輸送密度の経済性とアクセスコスト |
Research Abstract |
1.遠・近2外国と線分上に人口が分布する自国の3地域からなるシステムを考える.モデルでは,運輸市場のみを対象として,運輸施設までのアクセスコストと地域間運輸サービスにおける輸送密度の経済性という二面性を考慮している.モデルの構築の後,モデルの定性的性質について数値分析により検討を行った.考慮可能なそれぞれのケースがどのようなパラメータの組の下で存在するかを数値的に確認すると共に,解の重複する領域について,各国の社会的余剰とシステム全体の社会的余剰の大小の比較を行った.分析の結果,(1)住民の空港へのアクセスを改善することを目的として複数の空港を建設したとしてもシステム全体及び当該国の厚生を改善するとは限らないこと,(2)供給側の輸送密度の経済性が強くなく,かつ,需要側の輸送密度の経済性が強い場合に,乗り継ぎ便を含むネットワークパターンが存在する可能性があること,(3)供給側の輸送密度の経済性が非常に強い場合には,乗り継ぎ便を含むネットワークパターンは形成されにくくなり,直行便のみから構成されるネットワークパターンの解のみが存在すること,等がわかった. 2.さらに,1.での複数空港システムを考える場合の空港立地設定の不自然さを改善した.すなわち,運輸施設を複数整備することを考える場合には,複数の施設が同時に整備されると考えるより,既存施設が存在している下で新規の施設の配置を考えると仮定する方が自然である.そこで,自国において,地域間運輸サービスのための運輸施設の配置を考える上で,たとえば,人口分布一様の下では,一つ目の施設は地域の中心に立地させ,二つ目の施設が必要となる場合には一つ目の施設の立地を与件として効率的な施設配置を考えることを想定するようにモデルの再構築を行った.現在は,自国空港の空間配置に関する定性分析では,数値解析による検討を計画しているところである.
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