2005 Fiscal Year Annual Research Report
貿易自由化、および有機農産物表示システムが農薬使用に与えた影響の計量分析
Project/Area Number |
17730150
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
東田 啓作 福島大学, 経済経営学類, 助教授 (10302308)
|
Keywords | 農薬使用量 / 農産物の貿易自由化 / 有機JAS / 特別栽培 |
Research Abstract |
1.理論モデルの構築(実施計画1番目) 農薬使用に影響を与える政策・国際ルールに関する理論の論文"On Conflict Between Importing and Exporting Countries over SPS Measures"を完成しました。立命館大学と大阪市立大学でのセミナーで発表済みです。そこでは、一定の状況において、政府の政策が、防除のための流通・輸入への介入から農薬使用による生産段階での防除へと切り替わることが示されています。新年度の早い段階で海外ジャーナルに投稿の予定です。 2.データの確認・ヒアリング・データベースの作成(実施計画2番目) (1)『農薬要覧』の中で本研究に必要なものは、農薬製剤の県別出荷量・金額、輸出入量、および個々の病名ごとの実防除面積・延べ防除面積です。最後の二つはデータベースの作成が完了、他のものは作成中です。(2)福島・青森両県において、作物別、市町村別の特別栽培農産物の件数や面積のデータが蓄積されていることをヒアリングにより把握しました。農家のミクロ的行動を知る上で重要です。(3)その他の補完的データ(説明変数)の『卸売市場月報・旬報』、『世界農林業センサス』、『農業経営統計調査』についてはデータベースの作成に着手しています。 なお、当初「野菜」に限定していましたが、今後の研究には「りんご、茶」の2作物を加えることとしました。その理由は、第1にこれらの作物は特定の都道府県に生産が偏っています。サンプル数が少なくなる欠点はあるものの、低コストでデータを集めることができます。第2に、果汁、およびバナナやその他果実の輸入の観点から、りんご農家は輸入自由化に直面してきました(青森県りんご試験場にて、りんごの防除技術の変化や農薬使用状況についてヒアリング済み)。茶についても、消費の増加から輸入が増加してきているためです。
|