2005 Fiscal Year Annual Research Report
旧ソ連・中東欧諸国における企業金融メカニズムの分析-自己金融比率が高いのは何故か
Project/Area Number |
17730157
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
杉浦 史和 一橋大学, 経済研究所, 講師 (60377041)
|
Keywords | 企業金融 / ロシア:ハンガリー:カザフスタン / 移行経済 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
平成17年度は、1.本研究に関連する学術文献のサーベイと、2.マクロレベルでの企業金融の実態を調査・分析し、3.ロシア、ハンガリー、カザフスタンの企業財務データの収集およびコンタクトポイントの確定の三点に重点をおいて研究活動を行った。各点の概要は以下の通り。 1.ロシアを中心として移行経済諸国の企業金融に関する文献サーベイを行い、「ロシア・東欧における企業金融メカニズム」と題して比較経済体制学会第45回全国大会にて報告を行ったほか、"Corporate finance mechanisms in transition economies : with special emphasis on Russia"と題して、ハンガリー科学アカデミー経済研究所で開催された日本・ハンガリー共同ワークショップにて報告した。この報告に基づいて"Recent Development of Corporate Finance in the Russian Federation"と題する論文をIER Discussion Paperにて発表した。 2.マクロ統計データで収集可能なデータ分析をロシア、ハンガリー、カザフスタンにて行い、特にロシアのデータ分析に基づいて、内閣府主催日本・ロシア共同シンポジウムにて"Corporate finance in Russia : the new role of banking sector"と題する報告を行った。1.および2.の研究成果としては、ロシアにおいて企業間信用の役割が減少し、これに代わって銀行信用の役割が増大しているほか、一部大企業で資本市場からの資金調達が活発となっている点が明らかとなった。 3.ロシアには二回、ハンガリー、カザフスタンにそれぞれ一回出張し、統計データや制度的環境に関わる資料の収集に勉めたほか、ロシアでは経済貿易発展省のクレパッチ・マクロ経済予測局長、ハンガリーではベリャーチ・ペーチ大学教授、カザフスタンではカイロヴァ統計委員会局長、ハキムジャノフ・カザフ経済経営大学助教授らとのコンタクトを確保した。
|