産地型集積の振興とコミュニティビジネス

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17730163
• Research Institution: Nagasaki University
• Principal Investigator: 山口 純哉 長崎大学, 経済学部, 助教授 (40325692)
• Keywords: 産地型集積 / コミュニティビジネス / 地域振興

Research Abstract

本研究の問題意識は、なぜコミュニティ・ビジネスと呼ばれる公益追求型組織・活動が、私益追求型組織・活動を中心とする産地型集積の振興を担おうとしているのか(担わなければならないのか)、コミュニティ・ビジネスによる産地型集積の振興は、どのような成果を産地にもたらすのか、コミュニティ・ビジネスによる産地型集積の振興にはどのような課題があるのか、にある。
このような問題意識のもと、平成17年度は以下の活動に取り組んだ。
1.本研究を開始した当初、産地型集積におけるコミュニティビジネスを、全国540の産地型集積に存在する組合を対象とするアンケート調査によって発掘しようとした。しかし、組合への調査による把握の可能性に疑問が残ったため、コミュニティビジネス、特にそれらに対する中間支援活動を担うコミュニティビジネスの主体へのヒアリング調査を実施し、産地型集積におけるコミュニティビジネスの発掘に努めた。
2.国内各地の行政や中間支援組織など、各種団体が発行する文献資料のサーベイに努めた。
3.長崎県を中心とする九州地域において発掘された産地型集積と関係するコミュニティビジネスについて、当事者と接触し、活動目的、内容や成果の把握に努めた。特に、長崎県の半島部に位置する西海市や離島部の新上五島町などにおいては、当事者の他に行政や商工団体との接触も図った。
4.産業集積論とコミュニティビジネスとの関わりについて理論的な分析を進めた。