2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 友加 東京大学, 大学院経済学研究科, 助手 (70376573)
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Keywords | 貧困 / 生活水準 / RLMS / ロシア / 都市 / 農村 / 家計調査 |
Research Abstract |
本年度における主な研究実績は次の通りである。 1.個票データを用いたミクロ計量分析の実施 移行経済下ロシアの都市と農村それぞれの貧困動態(非貧困、一時的貧困、慢性的貧困)と労働力状態(就業、失業、非労働力)との連関に関する研究の成果を前年度にはディスカッション・ペーパー(東京大学大学院経済学研究科付属日本経済国際共同研究センター)として公表したが、その論文に改定・加筆を施し、『20世紀ロシア農民史』(奥田央編)において公表した。 さらに、上述の研究内容を拡張し、個人や家計の属性が都市と農村の貧困動態に与える影響を多項ロジットモデルを用いて分析し、都市と農村の貧困緩和と貧困化の決定要因の相違点を明らかにした。利用したデータは、ロシア長期モニタリング調査(the Russia Longitudinal Monitoring Survey : RLMS)の個票データ(1994〜2000年)である。この研究成果を学術雑誌(『経済学論集』)で公表し、また、学会(比較経済体制学会第46回全国大会)において研究報告をおこなった。 その他、移行経済下ロシアの貧困分析に必要となる統計データに関して再考し、移行経済下ロシアの貧困分析のミクロ計量的アプローチの可能性に関して論文をまとめ、ディスカッション・ペーパー(一橋大学経済研究所)として公表した。さらに、本論文をさらに推敲し学術雑誌(『比較経済研究』第44巻第2号)へ投稿した(2007年2月8日採択通知受領)。 また、以上の研究成果は、博士号を授与された学位論文(平成18年度)においても反映されている。 2.インタヴュー調査の実施 前年度にモスクワ市で実施した「ロシアの経済不安定化に関する家計の行動戦略調査」と同様の調査を、2006年11月、ヴォログダ市(ヨーロッパロシア北部の典型的な小都市)に住む20世帯に対して実施した。
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