2005 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国の汚職構造及び発展の展望-経済学的考察と計量分析
Project/Area Number |
17730181
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大村 真樹子 神戸大学, 経済学研究科, 助教授 (80397835)
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Keywords | 汚職 / 経済学 / アジア |
Research Abstract |
本研究では、アジアにおける、汚職の現状、汚職の構造の形態、及び、汚職と経済発展の関連性を検証し、汚職の決定要因とその防御策の可能性を模索するものである。本年度の研究計画に沿った、研究実績は以下の通りである。 1.理論レビュー:汚職題の理論研究より、汚職の起こり得る構造的な主要因・副因(政府の規模、官僚構造、民族多様性、民主主義の浸透性、官僚の賃金など)、汚職と成長などの主要な理論モデル、既存研究を確認。 2.既存データ分析による現状把握:既存の汚職関連データ(International Country Risk Guide - Country Data Com ; Transparency International ;世界銀行等のデータ)を用いて主要なアジア各国の汚職の状況を把握。 3.モデル選定・構築:理論レビュー及び、現状把握に基づき、アジアの汚職問題を考察する上で、最も適した理論・実証モデル候補を幾つか考察。モデル選定は、入手データを考慮し行う予定。 4.現地調査によるデータ収集・選定モデルの妥当性の検証:汚職は、様々な形態の汚職があり、公金横領、賄賂、ネポティズム等、様々な形態があり、それによって、考えられる構造的な要因も変わってくる。従って、アジアの複数の国々の汚職のマクロ的分析は可能であるが、構造的要因の分析は多数の国々を対象にすることが、困難である。また、予算が限られているため、汚職の構造的要因分析の研究対象国は、汚職度が東アジアで最も高いインドネシアと、近年特に汚職が問題視されている中国とすることとし、これらの国々のバックグラウンドの調査研究を行った(継続中)。本年度はインドネシアに絞り、12-1月に現地で初期調査を行った。スハルト体制崩壊以降、地方分権化の進んだインドネシアでは、末端まで汚職が蔓延っており、深刻な状況にある。3月に再度、現地調査を実施し、データの入手に努める。 5.データの変数化:次年度実施の予定とする。
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