2005 Fiscal Year Annual Research Report
多様化する教育訓練・就業形態・キャリア形成に関する実証分析
Project/Area Number |
17730195
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
浦坂 純子 同志社大学, 社会学部産業関係学科, 助教授 (70289338)
|
Keywords | 教育訓練 / 就業形態 / キャリア形成 / 雇用 / 人材育成 / NPO / 成果主義 / 人事制度改革 |
Research Abstract |
本研究は、就業の場を「(営利)企業」「NPO(非営利団体)」「創業」の3つに大別し、「労働需要(求められる人材)」「転職」「再教育」を共通の分析視角としながら、各場における就業者個人のキャリアパスを軸とする重層的な分析を展開することを目的としている。 本年度の取り組みは、まず「(営利)企業」に関して、中小企業397社を対象にパイロット的に行った調査票調査「教育と企業が求める人材に関する実態調査」の結果に基づく雑誌論文を公表した。161社の分析から、生産現場が直面している雇用難が、労働者の質的低下に拠るものであることを見出している。この結果を踏まえて調査内容を見直し、さらに電気機械器具・情報通信機械器具・電子部品・デバイス分野の中小企業5000社を対象に本調査を実施した。現在、回収された347社について分析を進めている。 加えて、近年顕著な企業における成果重視の動向が、本来の人事制度改革の目的を達成し、パフォーマンスを向上させているのかという問題意識から、上場企業を中心とする5000社を対象に調査票調査「人事制度改革と成果主義に関する調査」を実施した。こちらも現在、回収された455社について分析を進めている。 一方、「NPO」に関しては、行政事業を受託することに伴うNPOの組織・マネジメント構造と、雇用の受け皿としての機能の変化に着目する原点となった雑誌論文を公表した。大阪府の提案公募型事業を事例として取り上げ、事業の立案から委託先NPOとの契約締結に至るプロセスの実態を詳細に検討することで、不透明になりがちな委託事業や委託先団体の選定、事業費の積算などの明確な基準として機能する可能性を示唆し、説明責任を果たす意思決定のあり方について言及している。
|