2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢社会の中の国際労働移動政策:日本におけるフィリピン人労働者の受入れのケース
Project/Area Number |
17730196
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
M・R・D Carlos 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (90335414)
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Keywords | 外国人労働者 / 介護労働者 / フィリピン / 高齢社会 |
Research Abstract |
平成17年 本研究の主な目的は、日本の高齢社会の中の外国人労働者の受け入れを産業レベルで分析し、彼らの日本経済における役割を明らかにするとともに、受入れ国・送り出し国両側の政策的対応を検討するものである。平成17年度には、特に日本において、現在、どの産業で労働力供給が比較的に不足・過剰になっているのか、そして、将来、どの産業に労働不足が発生し、外国人労働者を受け入れなければならないのかを調べた。 以上の目的を達成するためには、まず介護サービス産業に関する労働市場の状況を確かめた。これは、福祉協議会を中心に、求人・求職のデータを集めて、老人介護関係の職員は不足していることがわかった。また、どの地域でどのような人材、どのように不足しているのかを把握するために京都と大阪の介護施設を訪問し実態調査をした。その結果、「安定した労働力」が最も不足しており、現状では、雇用してもあまり続かないため、いつも募集するようにしていることが明らかになった。そこで、FTAで外国人介護労働者は「安定した労働力」として期待されている。 次に、日本で大きな労働力プールになりつつある(眠っている労働力?)在日外国人、特に長期滞在可能な日本人の配偶者や日系人、永住者の経済的状況および経済的統合についても研究を行なった。彼らは夫や政府に負担にならないで経済的に独立するためには、労働者としてどのような産業にこれから戦略的に参入すれば良いのかを考えなければならない。そこで、在日外国、特にフィリピン人の介護労働者としての養成・雇用は介護サービス産業の人手不足を解消する一つの対策として考えて、それを詳しく見るために11月にシンポジウムを行った。 最後に、外国人を介護労働者(domestic workers)としてすでに多く受け入れているイタリア、シンガポールや香港のケースも調べて、今後は、日本も同様にする場合どのようなインプリケーションがあるのかを調べる予定である。
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