2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730207
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小幡 績 慶應義塾大学, 経営管理研究科, 助教授 (80345438)
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Keywords | 倒産 / メインバンク / 銀行 |
Research Abstract |
本年においては、世界各国の倒産法制度や実際に倒産した企業のケーススタディを行った。基本的には、新聞や雑誌を中心にデータを収集し、実際の倒産のケースがどのように進んでいくのか概観した。 一方、わが国の融資行動については、詳細な分析を行い、業績不振企業に対して、個別の銀行がどのような融資行動をとるかを個別銀行の融資データを元に様々な分析を行った。わが国においては、2000年に民事再生法が施行され、大きな影響があると思われたが、実際には融資行動の変化という形では現れなかった。 したがって、現段階では、融資行動と法制度の関係は直接は強くはないことが推測されるが、これには留保条件が必要である。なぜなら、同時に、金融庁の銀行に対する監査が厳しくなり、その影響も同時に見られたからであり、倒産に関する法制度と銀行に対する監督・規制の影響を分離する必要があると思われる。 よって、実際に倒産した企業について絞って、個別銀行の融資行動の分析も行った。そこで分かったことは、倒産がある程度予見されていたとしても、最大の融資を行っているいわゆるメインバンクについては、融資を引き上げるという行動はとっていないことがわかった。これは、メインバンクが融資を引き上げてしまうと、直ちに融資先の銀行が倒産してしまうため、動きにくいということがあると考えられる。これは、特定銀行の融資規模が大きいときに顕著に見られたことから、構造的に証明は出来てはいないが、データの解釈としては可能性が高いものだと思われる。
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Research Products
(1 results)