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2005 Fiscal Year Annual Research Report

初期近代イギリスにおける自治都市の比較分析-「非公式」な経済社会の実態と影響-

Research Project

Project/Area Number 17730215
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

川名 洋  東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70312527)

Keywords地方自治 / 経済取引 / 公共政策 / 市民 / 公式・非公式 / 都市空間 / コーポレーション / ネットワーク
Research Abstract

本研究は、自治都市の非公式な領域に関する調査、分析をもとに、自治都市の持つ経済社会組織の実態とその影響を明らかにし、初期近代イングランドにおける都市化の様相を解明することを目的とする。本年度は「公式」・「非公式」という概念を用いて、両者の相互作用から自治都市経済社会の実態を分析する方法の妥当性を検証するため、研究動向のサーヴェイと史料調査を行った。
近年注目されている国家形成論において自治都市は、農村教区と共に国家の政治的枠組の一部を担う下部組織と位置づけられ、また、都市文化の主体性を強調する修正論では、特権を持つ市民の政治共同体の成長こそが自治都市の発展とみなされた。しかし、いずれの解釈も自治都市の経済社会組織の理解には不十分であることが、本研究により明らかになりつつある。というのも、まず第一に、自治都市は農村とは異なる独自の公的・私的領域を持ち、これらの領域は当時著しい制度化の波に晒されていたからであり、第二に、そうした領域は非市民や移住民も共存する生活圏を含み、そこでは市民の政治共同体に想定される状況よりもはるかに広範で複雑な経済関係が結ばれていたからである。
自治都市特有の経済領域に着目して「公式」・「非公式」という二つの相反する観点から史料を分析した結果、両者が重複する社会空間を浮き彫りにすることができ、さらに都市空間理論を援用しつつ社会組織の実態に接近する分析手法の確立が、初期近代イングランドにおける都市化のメカニズムを解明するために有効であることがわかった。

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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