2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730226
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻本 将晴 芝浦工業大学, 工学マネジメント研究科, 講師 (60376499)
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Keywords | アカデミック・アントレプレナー / 行動科学 / 技術系ベンチャー企業 / 技術移転 / スピンオフ |
Research Abstract |
研究実施計画に沿って平成17年度の研究実績の概要をまとめる。研究実施計画では次の3段階の調査を計画していた。第一段階は、予備的ヒアリング、パイロット調査である。第二段階は、ケース記述である。第三段階は、対面質問票の統計分析である。 第一段階である、予備的ヒアリング、パイロット調査は次のように進展した。まず、理化学研究所の和田氏(株式会社メガオプト社長)と浦田取締役(ともに理化学研究所の研究者)にアクセスし、和田社長には2回のインタビューを実施した。次に、東北大学江刺教授(株式会社メムスコアの設立に強く関与)にインタビューを実施した。さらに、株式会社ロコモジェン(聖マリアンナ大学)、株式会社ダイマジック(東京電機大学)にそれぞれインタビューを実施した(研究者自身ではなく経営者、スタッフに対するもの)。これらの調査から、大学、公的研究機関の研究者がベンチャーに関与している中で、通説でいわれているような単なる名前貸しのような状況ばかりではなく、積極的に会社経営に関与している事例が見られ、実際に経営的な成果をあげる段階にきているということがわかった。 第二段階であるケース記述においては、現時点で、メガオプト和田氏、メムスコア江刺教授、ダイマジック濱田教授に関する基本的な情報の整理が終了している。追加的に、東工大、慶応大、早稲田大の各大学発ベンチャーをおこした研究者に対してインタビュー調査を実施し、ケース作成を行う予定である。 第三段階である対面質問票の統計分析については、質問票の調査設計段階であり実施にいたっていない。しかし、ノンパラメトリック検定については産業技術総合研究所ベンチャー開発戦略研究センターの調査データをもとにして実施し、その有効性が確認できた。本研究に対する援用可能性は十分にある。また、東京工業大学藤村修三教授の紹介により、プリンストン大学、UCSB(カリフォルニア州立大学サンタバーバラ校)の研究者による事業への取り組みについての調査を実施し、日本においても大きなタイムラグなく、アカデミック・アントレプレナーによる事業実施が一般化するであろうとの予測を得た。
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Research Products
(1 results)