2005 Fiscal Year Annual Research Report
設計構造行列による自動車モジュール部品のアーキテクチャ特性についての実証研究
Project/Area Number |
17730235
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
目代 武史 広島大学, 大学院社会科学研究科, 助手 (40346474)
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Keywords | 設計構造行列 / Design Structure Matrix / 製品アーキテクチャ / モジュール化 / 製品開発マネジメント / 自動車部品 |
Research Abstract |
本研究の初年度である平成17年度は、設計構造行列(DSM)の先行研究の批判的レビューを行い、分析モデルとしての特徴、歴史的な発展の経緯、応用上の留意点や制約条件などについて検討を行った。その結果以下のことが明らかになった。 (1)DSMは、製品の構成要素間の依存関係を網羅的かつ簡潔に記述する分析ツールであり、分析対象に応じてコンポーネントDSM、チームDSM、タスクDSM、パラメータDSMなどがある。 (2)DSM内の要素を並べ替えることにより、構成要素間の依存関係の最適化が図られる。この最適化のための分析のうち、構造の最適化には主にクラスタリング、プロセスの最適化にはパーティショニングと呼ばれる手法が用いられる。 (3)製品開発の他の手法と比較したDSMの利点は、記述する情報の網羅性、簡潔性、一覧性、操作性の良さにある。 (4)他方で、DSMには、(a)要素間の未知の依存関係に対して脆弱性を持つこと、(b)分析アプローチが静態的であること、(c)組織の知識蓄積に関する分析が弱いこと、といった限界点がある。 以上の分析結果を、先行研究の実証分析事例を含めて整理したものを雑誌論文として発表した(次ページ参照)。 平成18年度は、今年度の研究成果を踏まえ、実際の自動車部品についてDSMを作成し、実証分析を行う。すでに一部の企業へ調査研究への協力を依頼し、内諾を得ている。次年度では、まずDSM作成方法を手順化すると同時に、一部の自動車部品について先行的にDSMを作成し、その結果を元にDSM作成手順をさらに改良していく予定である。
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