2005 Fiscal Year Annual Research Report
在中国日系企業における人的資源管理と組織成果に関する研究:ミクロ組織論からの展開
Project/Area Number |
17730252
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
竹内 規彦 東京理科大学, 経営学部, 講師 (40387569)
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Keywords | 人的資源管理 / 組織成果 / 中国 / 日系企業 |
Research Abstract |
本研究では、中国の日系企業各社が展開するHRM施策が組織内の従業員にいかに知覚され、個人/組織の成果にいかなる影響を与えうるかに関し、ミクロ組織論の立場から理論的・実証的な検討を行うことを目的としている。上記目標を達成するため、平成17年度は以下の5点を中心とした研究成果があげられた。 第1に、本研究の中核をなす(1)戦略的人的資源管理論、(2)ミクロ組織論及び、(3)中国企業経営全般の3つの分野/領域に関わる既存文献の入念なレビューから、分析枠組みの設定を行った。とりわけ、従業員の職務と組織に対する認知的評価が、組織レベルと個人レベルの双方から影響を受け、最終的に行動へと結果する独自のパスモデルを構築し、次年度以降の本調査と実証分析の基礎を固めた。 第2に、過去の調査で得られた在中国日系企業の人的資源管理に関する質問紙調査データを再分析する形で、これまでの研究成果の整理と新たに解決・実証されるべき方向性を模索する努力を行った。特に、日系企業の人材活用の現地化の度合いが、現地での商品化やマーケティング戦略と密接に関連していることが明らかとなり、人的資源管理における市場戦略の重要性を明確化にした。 第3に、中国に進出する日本の自動車メーカーの親企業をターゲットとしたインタビュー調査が行われた。自動車産業の中国戦略と日本・中国での人材マネジメントの方向性に関する実務的な知識の供与がなされた。 第4に、本研究での調査フレームワークに沿った暫定的な質問項目の作成が試みられた。特に質問項目の選定には、関連する種々の文献や既存の測定尺度のレビューが重要となり、こうした作業を積極的に行った。 最後に、上述の成果について、随時、内外の主要な学会での研究成果発表とジャーナルへの論文化がなされ、多くの研究者・実務家から有益な助言を得ることができた。
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