2006 Fiscal Year Annual Research Report
複数事業企業内における技術資源の移転メカニズム:移転における要因分析と企業間比較
Project/Area Number |
17730253
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
久保 亮一 京都産業大学, 経営学部, 助教授 (80339754)
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Keywords | 技術移転 / PM、PL / 全社的開発マネジメント |
Research Abstract |
本研究の目的は、同一企業内における研究所・事業部間の技術資源移転メカニズムとそのドライバーとなる要因を明らかにすることである(本研究における技術資源の内容は特許のみならずノウハウやアドバイスも含める)。2006年度までは、調査協力を得ている部品メーカーに対して、インタビュー調査を継続して行っていたが、技術移転に関して定常的に行われているのではないことが判明した。そこで、2007年度は研究対象とする業界を、システムインテグレーター(SI)・ソフトウェアに変更し、A企業に対して積極的なインタビュー調査を行った(電話インタビューを含めると計10回)。また、分析単位をプロジェクトに設定し、プロジェクト・マネージャー間による技術移転について定性的なデータを収集した。そこで判明した点は以下にまとめられる。 1.プロジェクト・マネージャー間において、インフォーマル・フォーマルの形式で技術やノウハウの移転が頻繁に行なわれている。特に、フォーマルの面では、本社部門に技術情報部門が設置され、優秀なPMを選出し、経験の浅いプロジェクト・マネージャーにアドバイスを通じた移転が行なわれている。 2.情報データベースを作成し、プロジェクト単位の情報を3年間蓄積し、高リスク案件を開発プロセスの途中で発見できるように、全社サイドで取り組みが行われた。その結果、高リスク案件になると思われるプロジェクトに対して、優秀PMが当該PMにヒアリングを行い、技術やノウハウの移転を含めたアドバイスをすることによって、高リスク案件が低減したこと。 現在、上記の内容をケース分析を行った論文の形でまとめる作業を行なっている。
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