2005 Fiscal Year Annual Research Report
我が国における保険会社の規模拡大行動とその効果-国際比較を通じて-
Project/Area Number |
17730266
|
Research Institution | Takachiho University |
Principal Investigator |
恩蔵 三穂 高千穂大学, 商学部, 助教授 (10287956)
|
Keywords | 保険会社 / 根拠法のない共済 / 経営戦略 |
Research Abstract |
金融の自由化・国際化が高まるなか我が国の保険は自由化され、保険会社間に競争原理が導入された。だが、保険会社の中には破綻するものもあり、国民経済にも大きな影響が生じた。一方、保険会社自身は近年の事業環境を乗り切るため、生損保の垣根を超えた提携や合併等して、その規模を拡大しつつある。そこで、我が国の保険業における規模拡大行動が有効であるのか、また各保険会社の規模が経営戦略にどのように影響しているのかについて生損保別で明らかにしたいと考えた。また、国内と国外(主として欧米)の保険会社をそれぞれ規模別にグループ化し、それらの経営戦略や規模拡大行動を時系列的に考察する予定であった。 本年度、規模拡大行動を含め、保険会社の経営戦略に大きな影響を及ぼすと考えられる出来事があった。それは、根拠法のない共済事業問題を解決するために保険業法が改正されたことである。保険会社にとっては、JAのような認可共済のみならず、根拠法のない共済事業も無視できない競争相手である。というのも、根拠法のない共済事業の中には、保険会社にも匹敵するほどの規模をもつものもあるからである。今回の法改正により、根拠法のない共済事業も保険会社と同様、保険業法の適用を受けることになった。そのため、根拠法のない共済事業の一部が保険会社となる可能性が高まったのである。保険会社の規模拡大を視野にいれた経営戦略を考察するため、今回の法改正による根拠法のない共済事業について検討してみた。こうして根拠法のない共済問題を分析した研究成果の一つとして、平成17年度日本保険学会全国大会にて発表し、論文にまとめることができた(平成18年3月発行予定)。 また、米国の調査では保険業に関する資料収集を行うとともに、ビジネススクールに所属する研究者から意見を聞くことによって、当該研究に対する方向性を見いだすことができた。
|
Research Products
(1 results)