2006 Fiscal Year Annual Research Report
我が国における保険会社の規模拡大行動とその効果-国際比較を通じて-
Project/Area Number |
17730266
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Research Institution | Takachiho University |
Principal Investigator |
恩蔵 三穂 高千穂大学, 商学部, 准教授 (10287956)
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Keywords | 保険会社 / ディスクロージャー / 米国進出 |
Research Abstract |
本研究は、我が国の保険業における規模拡大行動が有効であるのか、また各保険会社の規模が経営戦略にどのように影響しているのかについて生損保別に明らかにしたいというものである。また、国内外の保険会社をそれぞれ規模別にグループ化し、それらの経営戦略や規模拡大行動を時系列で考察する予定であった。 本年度は、昨年度に引き続き、保険会社の規模拡大を視野にいれた経営戦略を考察するため、保険会社の経営戦略に大きな影響を及ぼすと考えられる保険業法の改正に関連した論文「根拠法のない共済事業とディスクロージャー制度」『保険学雑誌』(第592号)をまとめた。 一方、保険会社の規模拡大行動の一部として、保険会社の海外進出が考えられるため、今回、保険会社の米国進出状況に関する調査を行った。ここで明らかになった一例をあげると、わが国の生命保険会社においては、過去に何社か米国進出を行ったものもあるが、現在では、大手生保1社が生命保険業に進出しているにとどまっていたことがわかった(ただし、国内での事業展開とは異なり、保険の販売にのみ従事する生命保険会社はある)。今後は、わが国の生命保険会社にとって、国際化(ここでは米国進出)が魅力のあるものなのか、あるいは進出自体が厳しいのか、それが保険会社の規模と何らかの影響はあるのかについて考察する予定である。また、『ヘルスケア産業・生活保障の日米比較研究』(共著)を本研究と同時並行して行ってきたが、ここでの考察が日米における高齢社会と保険業へのニーズを模索する一助となった。 ところで、本年度は金融庁主催の「ソルベンシー・マージン比率の算出基準等に関する検討チーム」に委員として参加させていただいた。この検討会を通じて、生損保別、規模別、それから内国・外資といった、様々な保険会社がもつ商品ラインや資産構造を改めて見直すことができ、本研究への新たな視点をみいだすチャンスを得ることが出来た。
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Research Products
(2 results)