小売業態の相対性に関する理論的実証的研究

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17730269
• Research Institution: Chukyo University
• Principal Investigator: 坂田 隆文 中京大学, 総合政策学部, 講師 (40367652)
• Keywords: 小売業 / 小売業態 / 百貨店 / 歴史分析

Research Abstract

研究課題である小売業態の相対性の理論的・実証的分析を行うために、本年度は主に3つの活動を行った。それは第一に、現実の小売業者が業態概念をどのようにとらえているのかを分析するという作業である。特に、日本の百貨店や日本国内で特異的な活動を行っている小売業の調査を行い、それらの企業が自社の経営戦略を通して小売業態という概念をどのようにとらえているのかを分析するという作業を行った。第二に、小売業と関わりのある業界の方にヒアリングを行うことにより、業界外の企業人が小売業態をどのようにとらえているのかを考察するという作業を行った。この業界外の企業としては、インフラを築く企業、金融業、製造業、卸売業などが含まれる。第三に、小売業態概念に関連する理論をレビューするという作業を行った。この理論レビューにおいては、小売業態概念自体を直接扱っていなくても、小売業のビジネスモデルなどを扱った研究も含めてレビューすることにより、この作業に深みをもたせるよう試みた。
本年度行った上記の3つの作業は研究課題を達成するための土台にあたる部分であり、平成18年度にこのような活動をベースとしながらも、相対的小売業態概念の理論構築および実践的インプリケーションの抽出を行いたい。そのためにも現在、既に行っている調査・分析の成果と理論レビューとの間に存在する懸隔を埋める作業を行っており、今後はまず、それを研究業績として公表していきたいと考えている。