2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730273
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
野間 幹晴 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 助教授 (80347286)
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Keywords | 会計発生高の質 / 情報の質 / 利益の質 / 利益の持続性 / 収益費用の対応の質 / 資本コスト / CAPM / 3ファクターモデル |
Research Abstract |
本年度は経営者の裁量的会計行動と利益の質について次の2つの研究を行った。1つは会計発生高の質と資本コストに関する実証研究であり、いま1つは利益の質とボラティリティに関する実証分析である。 1.会計発生高の質と資本コストに関する実証研究 本研究では会計発生高の質が資本コストに影響を与えるかどうか、すなわち会計発生高の質がリスク・ファクターであるかどうかを検証した。その結果、会計情報の質が資本コストを決定づけるリスク・ファクターである可能性を示唆する結果が得られた。特に、会計発生高の質が3ファクターモデルにおいてリスク・ファクターとしてプライシングされていることが明らかになった。このことは、企業は質の高い情報を投資家へ提供することで、資本コストを低下させることができることを意味する。 本研究は、『會計』第168巻第1号,2005年7月に「会計発生高の質に対する資本市場の評価」(15-28頁)として発表されている。 2.利益の質とボラティリティに関する実証分析 本研究では、利益のボラティリティが利益の質に与える影響を検証し、次の2点を解明した。1つは、収益・費用の対応すなわち収益と費用の相関係数と、利益のボラティリティとの間には負の相関があることである。いま1つは、利益のボラティリティは将来の利益を予測するうえで重要な尺度となる点である。すなわち、利益のボラティリティが低いほど、利益の持続性も高く、今期の利益によって来期の利益を説明しやすいということである。 本研究は2005年6月に開催された第13回日本ファイナンス学会で発表した。発表内容は、『日本ファイナンス学会第13回全国大会予稿集』に「利益の質とボラティリティ」(579〜593頁)として掲載されている。
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