2005 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロとマクロの原価改善システムにおける管理会計情報の有用性に関する実証研究
Project/Area Number |
17730286
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
菅本 栄造 中央大学, 商学部, 助教授 (40297073)
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Keywords | 原価改善システム / 動機づけ / マネジメント・コントロール / 管理会計情報の特性 / ミニ・プロフィットセンター / 管理会計システムの運用 |
Research Abstract |
本年度では、第一に、ミクロとマクロの原価改善システムを構築していくという、より大きな研究の一部として、ミニ・プロフィットセンター(MPC)制度についての事例研究を実施し、その成果の一部を発表した。第二に、上記の研究課題と密接に関連する内外の著書、論文を網羅的に収集し、文献研究を行った。 このうちMPCについては、管理会計の影響システムとしての側面を重視し、従業員の動機づけに対して望ましい影響を及ぼすためには、提供される管理会計情報の特性をどのように工夫したらよいのか、管理会計システムをいかに運用していけばよいのかということを製造現場の実態調査に基づいて考察した。組織メンバーに対する改善活動への動機づけ方法を、(1)管理会計情報による動機づけの方向への影響、(2)管理会計情報による動機づけの強さへの影響、(3)管理会計システムの運用方法の3つに概念的に分類したうえで、管理会計システムの設計および運用方法を考察した。(2)については、管理会計情報の特性面として、(1)意味のある目標であること、(2)シンプルで分かりやすい目標であること、(3)年度ベースと月次ベースの目標値であること、(4)高い目標値であること、(5)行動の結果が反映され実感しやすいこと、(6)成果がタイムリーに利用可能であること、(7)市場志向、などの側面から、管理会計情報の意義を考察した。さらに、(3)の管理会計システムの運用方法の側面として、(1)少人数であること、(2)情報をガラス張りにすること、(3)自己評価、(4)管理会計教育を施すこと、(5)社内用語を管理会計に統一すること、(6)月次経営会議でPDCAサイクルを実施すること、(7)自主性を尊重すること、(8)高い目標値を要求すること:実験主義、(9)人事評価とは直結させないこと、(10)トップマネジメントがエネルギーを注入すること、といった要素から、原価改善活動を支援するためのMPCシステムの有効性を検討した。
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Research Products
(1 results)