2005 Fiscal Year Annual Research Report
世代間関係の動態とその規定要因にかんする社会学的研究
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17730304
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田渕 六郎 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (20285076)
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Keywords | 高齢者 / 世代間関係 / 親子関係 / 祖父母・孫関係 / 生活の質 |
Research Abstract |
本年度は第1次の祖父母調査(祖父母から見た祖父母-孫関係の調査)を実施した。第1次の孫調査については、関係機関との調整が不調に終わったため、次年度以降に実施する予定である。 第1次祖父母調査として、名古屋在住の60歳以上の高齢者1200名を層化2段無作為抽出により選挙人名簿から抽出し、2005年10月から11月にかけて自記式郵送調査を行った。調査項目は、子・孫の有無、子・孫の居住距離および接触頻度、精神的健康を中心とした。約700名(回収率59%)の回答を得た。データはコンピュータ入力のうえ分析した。サンプルの男女比はほぼ1対1であり、有配偶者が77%を占める。年齢構成は64歳以下が28%、75歳以上が13%であった。 同調査の分析結果として、以下のような知見が得られている。(1)抑うつを高める要因として社会経済的地位の低さ、身体的健康の高さが有意である。(2)抑うつの高さは社会参加の頻度と負の相関がある。(3)抑うつは子との接触頻度との間に弱い相関があるが、孫との接触頻度との間に相関は見られない。(4)生活満足度は子との接触頻度とは相関しないが、孫との接触頻度との間に正の相関がある。 現在、上記の結果を多変量解析の手法を用いて確認するとともに、少なからぬ欠損値が見与れた抑うつ尺度について欠損値の処理を進めている。また、多変量解析から得られた知見を論文および学会報告として報告する準備を進めている。
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