2005 Fiscal Year Annual Research Report
戦時期の知の位相とその戦後への移行に関する歴史社会学的研究
Project/Area Number |
17730312
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
福間 良明 香川大学, 経済学部, 助教授 (70380144)
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Keywords | 知 / 戦前-戦後 / 日本主義 / 戦争体験 |
Research Abstract |
平成17年度は、(1)国粋主義と語学研究の関連性、(2)民族学言説の戦前-戦後の連続性、および(3)戦後知識人における戦争体験の意味について考察を行った。 (1)については、英語学者にして戦前期に原理日本社の主要な同人であった松田福松の思想を検証し、拙稿「英語学の日本主義--松田福松の戦前と戦後」(竹内洋・佐藤卓己編『日本主義的教養の時代』柏書房・2006年2月)にまとめた。(2)については、戦時期の民族学言説やその人的ネットワークについて、国際日本文化研究センターの共同研究「戦間期日本の社会集団の相互関係とネットワーク」において報告を行った(2005年12月17日)。(3)については、戦後の教育学者や沖縄言語学者、および日本戦没学生記念会(わだつみ会)に集った知識人の言説を、彼らの戦争体験とともに検証した。その成果は、シンポジウム報告「『反戦』に映る自己像--『きけわだつみのこえ』の読みの変容と戦後のナショナリティ」(大阪大学21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学--イメージとしての<日本>」(2005年6月26日・大阪大学中之島センター)、拙稿「学徒出陣をめぐる世論と輿論」(『イメージとしての<日本>』大阪大学21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」・2006年1月)、および拙著『「反戦」のメディア史--戦後日本における世論と輿論』(世界思想社・2006年[近刊])の一部(第2章・3章・4章)として発表した。 平成18年度は、戦時期から戦後にかけての民族学・社会学・新聞学の変遷を中心に研究を進める予定にしている。
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Research Products
(2 results)