2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域型環境管理における関係主体間のコミュニケーションおよび意思決定過程研究
Project/Area Number |
17730327
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
大江 瑞絵 関西学院大学, 総合政策学部, 助教授 (50330395)
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Keywords | リスク・コミュニケーション / 社会的合意形成 / 意思決定構造分析 / シミュレーション / 数理モデル / 地域型環境管理 / 小規模水力発電 / NGO |
Research Abstract |
平成18年度は、インドネシア・ジャワ島のNGO IBEKA (Institut Bisnis dan E : konomi Kerakyatan)が取り組むMHP : Micro Hydro Power事業の調査を行った。インドネシアは13,700もの島から構成されており、居住地域も点在している。特に、山間部の集落では多くのインフラ整備が遅れており、そうした地域ではMHPが有効とされている。IBEKAは1990年に設立以降、すでに60弱のMHP事業を行っており、発電機の設置のみならず、設備、技術、資金、人材育成などの水力発電ネットワークの援助を行っている。 ジャワ島西部のBanten、Bogor、Sakabuni州にまたがるCicemetでは王政が残っており、行政区とは異なる地域自治が行われている。1997年のMHP事業による住民への電力供給によって、伝統的生活習慣に影響がでるのではないかと懸念されたが、発電規模も小さく、また、王政のもと自然環境とともに伝統文化の保護・継承が行われており、大きな影響は出ていない。 また、ジャワ島中部のCINTA MEKARでは、2004年、UN-ESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)、IBEKA、水力発電設備販売企業の合同出資でMHP設備が設置された。設置後は、IBEKAの技術支援および人材育成研修のもと、CINTAMEKAR共有組織であるMekarsari村住民によって管理・運営が行われている。このMHP事業では、電力会社に電力を売ることによって得られる収入を、家電製品、奨学金、職業訓練教育、健康管理、農業、インフラ整備、村の自治運営費などにあてている。 地域型環境管理を目的とした地域住民の主体的な運営・管理状況について、2事業の調査を行った結果、地域型環境管理を行う際に重要な要因として、地域で管理を行う体制の重要性が確認された。
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