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2005 Fiscal Year Annual Research Report

英国地方自治体における対人福祉サービスの行政評価に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17730350
Research InstitutionOsaka Sangyo University

Principal Investigator

岡田 忠克  大阪産業大学, 経済学部, 助教授 (80341014)

Keywords対人福祉サービス / ベストバリュー / 行政評価 / ブレア / ニューレイバー / 第三の道
Research Abstract

ベストバリュー制度は、サービスのレビューが求められているが、その際には広範な視野を持つことが必要であり、その視点は常に利用者からの意見を取り入れることが望ましいことがヒアリング調査から明らかとなった。そして、明確な戦略的なビジョンを持つことが、最終的に良い効果をもたらしている事例が多く見受けられ、現実的なタイムスケジュールの運用が重要であるということがわかった。また、地方自治体の議員やサービス利用者、他の関係者やコンサルタントなどサービス提供者の外部の人間によるレビューが重要な効果をもたらしていることが調査から明らかとなった。
ベスト・バリュー制度が示唆するものは、ベストバリュー制度による行政改革の目的が、民間委託の推進を通した「減量化」や行政の「効率化」のみへの関心から、理念的には、行政の質をも重視したアプローチに転換していることである。そして、その実現のために、住民の参加が求められ、また、政府のさまざまな文書では、良質のサービスのためには良質の雇用が必要であるとして、労働者の労働条件へも関心が向けられていることである。
ベストバリュー制度のねらい自体は、評価されるべき点もあり、以上のような課題をクリアしていくことによって、透明性の高い行政が達成されるかもしれない。ただ国民受けのする効果を全面に打ち出し、強調することによって、イギリス行政改革が目指す本来の意図を覆い隠しているようにも思われる。サッチャー政権以降の政治手法は、福祉国家の解体という政治問題を行政問題にすり替えることによって、非政治化させて、それを技術的に解決する方向へ誘導することであった。これらの行政改革によって達成されるものは、福祉国家の本質的な構造転換をもたらすものではないことも確認しておかなければならないといえる。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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