2005 Fiscal Year Annual Research Report
第二次大戦以前の仙台基督教育児院史にみる施設養護と地域の関わり
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17730352
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Research Institution | Shokei Women's Junior College |
Principal Investigator |
田澤 薫 尚絅学院大学女子短期大学部, 保育科, 助教授 (70296200)
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Keywords | 児童福祉 / 児童養護施設 / 社会事業史 / 仙台基督教育児院 / 宮城県史 / 日本教育史 / 農繁託児所巡回保姆 / 保姆講習会 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に沿って、以下のように研究作業を遂行した。今年度は、とくに1930年代に焦点をしぼって、育児院を取り巻く人脈の整理を試みた。 研究作業1:育児院所蔵資料からの収集と整理 育児院所蔵資料の訪問記録・寄付記録・往信録、機関誌「丘の家」の掲載広告から、地域の個人・団体と育児院との関わりを整理した。あわせて、入所児童関係資料から一部の児童の地域への就職の状況、また育児院の地域商店からの物品購入状況を情報収集した。 研究作業2:旧職員への聞き取り 地域との関連事例に対する育児院の受け止め方について聞き取りを行った。聞き取り記録を『仙台基督教育児院所蔵写真解説聞き取り記録(千葉多栄子氏アルバムほか:話し手山田省子氏)』『仙台基督教育児院旧職員・仙台キリスト教育児院職員聞き取り記録2004年・2005年』としてまとめた。 研究作業3:宮城県公文書館所蔵資料等から関連資料の収集 行政関連の資料から、行政・地域の経済界の側からの育児院への関わりの資料を収集した。 検討と成果発表:中間成果を日本社会事業史学会(2005年5月、長野大学「仙台基督教育児院史にみる1930年代東北地方における施設養護実践」)、日本社会福祉学会(2005年10月、東北福祉大学「1930年代の仙台基督教育児院史にみる施設養護と地域の関わり-養護実践と人脈-」)で報告した。また、別記のとおり論文として公刊した。さらに成果を活かしながら『仙台キリスト教育児院100年史(仮題)』の分担執筆を行った。 1930年代は、仙台基督教育児院が名実共に日本の児童施設として歩み始め、同時に宮城県の社会事業の中核として位置づいた時期でもあった。最初の日本人院長北野高弥からその後長く院責を担った大坂鷹司に院務が引き継がれた当期の人脈とその変化は、育児院の養護の質と方向性に直接的に反映していることが明らかになりつつある。
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Research Products
(2 results)