2006 Fiscal Year Annual Research Report
司法制度のわかりやすさと公正感,および傍聴経験に関する社会心理学的研究
Project/Area Number |
17730360
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
今在 慶一朗 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (40359500)
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Keywords | 手続き的公正 / 訴訟 / 司法制度 / 社会心理学 |
Research Abstract |
●フィールド研究の実施 実験への参加者を募り、実際の刑事裁判を傍聴させた。傍聴前に参加者に質問紙に回答させ、裁判に対する事前態度を測定し、その後、刑事裁判を傍聴させた。傍聴後、再び傍聴前と同じ内容の質問紙に回答をさせた。事前と事後のデータから参加者の傍聴経験による態度の変化を統計的手法を用いて分析を行った。結果は学術雑誌にまとめ、投稿した。現在審査中である。 ●フィールド研究の追加実施 上記フィールド研究の分析結果は投稿中の論文にまとめたが、投稿先の審査者より研究に関してアドバイスを受けたため、これに基づき改めて研究計画をたて、現在実験を実施中である。 ●学会発表 昨年の質問紙調査で得られたデータを分析し、日本社会心理学会第47回大会(仙台:東北大学)で発表した。本調査では、民事訴訟制度の利用経験、訴訟に伴う不安、手続きに関するわかりにくさ、利用しやすさに関して、組織の法務を担当経験のある者と法務担当の経験がない一般の勤労者を比較した。分析の結果、法務を担当した経験がある人々は経験のない人たちに比較して制度に対して好意的な態度を持っているが紛争が長期化することに不安を感じやすいこと、また、経験者、未経験者ともに約3割の回答者が裁判官の判断基準がわかりにくいと感じていることが示された。発表した内容は、紀要としてまとめた。
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