2005 Fiscal Year Annual Research Report
大都市住民のコミュニティ意識とまちづくり活動への参加に関する応用社会心理学的研究
Project/Area Number |
17730371
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
石盛 真徳 京都光華女子大学, 人間関係学部, 講師 (70340453)
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Keywords | コミュニティ意識 / 信頼性 / 特定非営利活動法人 |
Research Abstract |
研究初年度である本年度の研究では、当初の研究実施計画通り、来年度実施予定である、大都市住民のコミュニティ意識を把握するための本調査に向けて、コミュニティ意識尺度の改訂作業を行った。本研究で用いるコミュニティ意識尺度は、人々のコミュニティへの意識を、連帯・積極性:積極的にみんなと協力しながら地域のために活動する意志があるか、自己決定性:地域をよくするためには住民自らが決定権を持つことが重要であるかと考えているか、愛着性:地域への誇りや愛着を持っているか、他者依頼性:行政や他の熱心な人に地域の問題への取り組みを任せておきたいと考えているか、という4次元から測定するものであるが、その尺度の信頼性について調査を行い検討した。調査は、2005年7月末時点において、長崎県西彼杵郡長与町に在住する、特定非営利活動法人にんじんネット協議会の全会員354名を対象として、無記名式の質問紙調査により郵送法で実施した。調査票の有効回収数は156票、有効回収率は44.1%であった。調査データについて因子分析法により検討した結果、尺度の信頼性は基本的に確認された。なお、にんじんネット会員と先行研究(石盛,2004b)における一般の長与町民のコミュニティ意識の4次元の各得点を比較した結果、他者依頼において、統計学的に有意に、にんじんネット会員の他者依頼得点が低かった。つまり、にんじんネット会員の方が、地域の問題への取り組みを:行政や他の熱心な人に任せておきたいと考えていないという結果であった。それ以外の次元では有意差がみられなかったが、自己決定に関しては、一般の長与町民も、住民自らが決定権を持つことの重要性を認めていたことも踏まえて考察すると、にんじんネット会員は地域活動への活動に参加する潜在的な力を秘めているといえる結果であった。
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