2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己開示およびサポート希求時における双方向メディアの戦略的使用
Project/Area Number |
17730375
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Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
高比良 美詠子 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (80370097)
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Keywords | メディア利用 / 自己開示 / サポート希求 / 心身の健康 |
Research Abstract |
現代社会において、ストレスにうまく対処し、心身の健康状態を保つことは重要な課題である。そして、インターネットなどに代表される、双方向特徴を持つメディアの利点を十分に把握し、その場の状況や相談したい内容に最も適した方法を戦略的に選びながら自己開示やサポート希求を行うことができれば、その分ストレス対処の幅が広まり、心身の健康状態の維持も容易になることが予想される。 そこで、本年度の研究では、今までに行ってきたパネル調査等によって得てきた知見を参考にしながら、自己開示およびサポート希求を行う際に使用するコミュニケーションメディアの種類と、心身の健康状態との関係について検討を行った。 都内の大学生87名を対象に質問紙調査を行った結果、自己開示およびサポート希求の際に最もよく用いられているメディアは、相手との対面性、モバイル性、同期性が高く、匿名性の低いツールであった。しかし、対面性、モバイル性、同期性、匿名性がいずれも低い、PC版のSNSなどのツールも積極的に利用されていた。そして自由記述の回答から、大学生は、自己開示およびサポート希求の内容によって使用するメディアを使い分けており、このようなコミュニケーションの結果、精神的な健康状態が向上していることが明らかになった。これは、相手に伝えたい内容によって、さまざまなメディアを使い分けることが、心身の健康状態の維持にプラスの効果を持つことを示唆するものだといえる。
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