2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本語話者の英単語リスニングにおけるプロソディの認知と利用
Project/Area Number |
17730378
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
関口 貴裕 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90334458)
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Keywords | 音声単語認知 / 韻律 / ストレス / 英語学習 / 音韻処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は,日本語話者による英語リスニング困難の背景にある認知的要因を示すために,日本人の英語非熟達者が英単語のプロソディ(ストレスパタン)にどの程度注目しており,かつそれをリスニングにどのように利用しているかを明らかにすることである。そのために本研究では,ストレスパタンを構成する音響的特徴を様々に変化させた英単語刺激を作成し,それらに対する認知課題の成績を比較することで,日本語話者が英単語プロソディのどのような特徴に注意を向けているかを検討していく。本年度は,単語のプロソディを加工するための技術的手法について比較検討を行い,Kawahara et al.(1999)のSTRAIGHT法を最適なものとして採用し,それに基づき機器等の整備を行った。また,日本語話者が英単語を聞く際にある単語を別の単語に聞き間違えることがあることをふまえ,日本語話者を対象に300の英単語についてリスニング困難度の調査を実施した。そして,その結果をもとに19年度に行う実験用の音声単語刺激を作成した。この他,日本語単語のリスニングの初期プロセスにおいて,単語親密度によってはプロソディ(アクセントパタン)が利用されない場合があることを示した成果を論文にまとめ,Journal of Psycholinguistic Research誌に発表した。また日本人の英語リスニングの知覚的特徴,ならびに英語能力の個人差に対するワーキングメモリ,年齢,学習障害等の影響について総説した論文を,図書の形で公表した。
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