2005 Fiscal Year Annual Research Report
抑うつ気分からの回復に影響を及ぼす気晴らし的活動の効果に関する研究
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17730406
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
友田 貴子 (星野 貴子) 埼玉工業大学, 人間社会学部, 講師 (00398538)
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Keywords | 抑うつ気分 / 感情 / 反応スタイル / 気晴らし的活動 / 身体的活動 / 脳波 / 立ち直り / 気分の変化 |
Research Abstract |
【研究1】抑うつ気分からの回復のための対処方略の収集 方法と結果 埼玉工業大学の学生を対象に、気分が落ち込んだときにどのようなことをすると効果的かということに関し、自由記述にて回答を求めた。92項目にまとめられた。 【研究2-1】気分への対処方略の効果測定(横断的研究) 方法と結果 予備調査による92項目を使用し、抑うつ気分を経験した際、それらの行動や活動を行う頻度および回復へ与える効果について質問紙調査を行った。調査対象者は埼玉工業大学の大学生77名であった。分析の結果、ひとりでするもののなかでもっとも経験度数が高かったものは「眠る」であり、もっとも効果の高かったものは「歌をうたう」であった。同様に、ふたり以上でするものの場合は、経験度数、効果とも「歌をうたう」がもっとも高かった。 【研究2-2】気分への対処方略の効果測定(縦断的研究) 実際に気分が落ち込んだときの対処方略について実証的に検討するため、3ヶ月の期間をおいた縦断研究を実施した。2時点でCES-Dを用い測定を行いタイム2ではその間に抑うつ気分を経験した場合、実際に行ったこととその効果について測定した(研究1で作成した尺度を使用)。同時に抑うつ気分についての尺度(英語版を日本語訳)も使用した。現在データ入力が終了し分析中。 【研究3】気晴らし的活動が抑うつ気分からの回復に与える効果の検討:実験 実験に先立ち、被験者の気分を抑うつ的にさせるための映像刺激を用意、それが抑うつ気分を誘発するかどうか、その妥当性の検討を行った。 方法と結果 埼玉工業大学の学生24名に4種類の映像(映画やテレビドラマの一場面:それぞれ10分程度)をみせ、それぞれを視聴したあとの気分についてSD法などを用いて測定した。その結果、研究3で使用しようと予定している映像は、十分抑うつ気分を喚起することができることが示された。現在、研究3の実験のための実験室および実験器具の整備を行っている。
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