2005 Fiscal Year Annual Research Report
老年期における心身諸機能の個人差に関する臨床心理学的研究
Project/Area Number |
17730409
|
Research Institution | Jin-ai University |
Principal Investigator |
水上 喜美子 仁愛大学, 人間学部, 助手 (00387408)
|
Keywords | 老いの自覚 / 個人差 / エイジング |
Research Abstract |
本研究の目的は、エイジングにともなう行動的・心理的・生理的変化と、その変化の受け止め方との間に、どのような個人差があるのかを検討することである。今年度は、老いの自覚尺度の尺度化、個人差の評価方法の検討、調査参加者の選出を中心におこなった。 1.「老いの自覚尺度」を評定するための尺度作成について この尺度作成のために、詫摩ら(1983)が作成した老性自覚尺度などを参考に質問紙を作成し、高齢者250名を対象に実施した。妥当性と信頼性の検討を行った結果、20項目の尺度が作成された。この尺度は、「初対面の人の名前をすぐに覚えられない」「鏡の中の自分を見つめると、人生の疲れを感じる」などの質問項目から成り、自分の心身機能を主観的に評価する指標である。しかし、この尺度では、老いの自覚に関する一面しか捉えていないという問題点があるので、項目を増やし、再調査を実施する準備に取りかかっている。 2.個人差の評価方法について 個人差を客観的に評価するために、行動的、心理的、生理的視点から評価することとした。この評価のために、どの指標を使用するかについて、文献研究により検討した。この結果、エイジングの影響が反映されやすいとされる指標として、行動的評価は、握力、閉眼片足立ち、歩行速度、平衡感覚などの指標があり、その測定をすることとした。心理的評価には、CANTAB(認知機能検査)を実施することとした。さらに、生理的評価には、血圧、心拍、脳波、脳の形態的状態の測定を実施することとした。現在、上記の項目の測定を行っている。 また、調査参加者は、地域に在住する健康な高齢者、またデイケアを利用する高齢者を対象にMMSEと長谷川式簡易スクリーニング検査を実施し、認知症と認められない高齢者とした。
|