2005 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害者への重要な他者との関係の形成による支援と特別支援を行う機関との連携
Project/Area Number |
17730410
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
浦崎 武 琉球大学, 教育学部, 助教授 (20331613)
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Keywords | 重要な他者との関係 / 軽度発達障害 / 広汎性発達障害 / 発達支援 / 適応支援 / 心理療法 / 専門機関との連携 / プレイセラピー |
Research Abstract |
1.軽度発達障害者との関わりについての研究 広汎性発達障害者3人と筆者との関わりを詳細に記述し、論文(琉球大学教育学部障害児教育実践センター紀要、第7号)にまとめた。他者との関係を形成することにより、その他者が発達障害者にとって重要な存在となるプロセスとその重要な他者との関係の形成が彼らに及ぼす影響を筆者との関わりを通して詳細に記述した。今回の研究の対象3人のうち、2人は広汎性発達障害(自閉症)であった。1人は3歳から6歳までの関わりの経過記録を、もう1人は6歳1ヶ月から11歳10ヶ月までの経過記録をまとめた。また、3人のうち1人は軽度発達障害(アスペルガー障害)であった。軽度や中度、重度など障害の程度においては、重要な他者との関わりのかたちはそれぞれ異なっていたが、そのプロセスには共通性が見られた。 2.軽度発達障害者との重要な他者との関係の形成による発達への影響の研究 広汎性発達障害者3人と重要な他者(筆者)との関わりの経過から身体と枠という視点の重要性が示唆されたことにより、身体と枠作りを定義づけて心理療法を行なった。また、重要な他者との心理療法による関わりの詳細な記述により、発達的変容のプロセスと不適応の改善のプロセスに良い影響を与えていることが示唆された。そのことを先の論文(琉球大学教育学部障害児教育実践センター紀要)に考察としてまとめた。 3.軽度発達障害者の発達支援と適応支援のための重要な他者としての関わりの研究 重要な他者の存在に焦点を当てることが発達促進、不適応の改善においても良い影響を与えていることが示唆されることから、今後も重要な他者としての関係を意識した上での専門機関、特に保育園、学校、適応支援教室との連携、支援現場における重要な他者となるための関係づくりについて研究を深める予定である。
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Research Products
(1 results)