2005 Fiscal Year Annual Research Report
ネガティブな出来事に対する原因帰属と対処行動が精神的健康に及ぼす効果
Project/Area Number |
17730416
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
三宅 幹子 福山大学, 人間文化学部, 講師 (80352061)
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Keywords | 原因帰属 / 対処行動 / 精神的健康 / 自己効力感 |
Research Abstract |
調査1として,大学生150名程度(男女約半数程度ずつが参加)を対象として,達成領域でのネガティブ場面(レポートで良くない評価を受ける場面,試験で失敗して単位を落とす場面)を用いて,場面想定法により,ネガティブな出来事に対する原因帰属と対処行動を調べるための質問紙調査を行った。併せて,自己効力感(成田他(1995)の尺度を使用),積極的問題解決スタイル(Heppner & Petersenによる問題解決スタイル調査項目(Problem Solvimg Inventory : PSI)の下位尺度である,「接近-回避スタイル」)を測定した.これらの調査は,いずれも中四国の大学において実施した. 現在,上記の調査で収集したデータと,これまで収集してきたデータとを合わせて,データ整理と,以下のような観点からの統計的分析結果のとりまとめを実施している。すなわち,1、原因帰属と対処行動間の相関関係の分析,2、多変量解析(クラスター分析)の手法を用いた原因帰属様式の類型化(原因帰属様式のタイプ分け)の分析,3、原因帰属様式のタイプ間での各対処行動をとろうとする傾向の比較,4、原因帰属様式のタイプ間での積極的問題解決スタイルの程度の比較,である。 これらの分析から,達成場面でのネガティブな出来事に対する原因帰属様式のタイプと対処行動との関連性,および,原因帰属様式のタイプ別の自己効力感,積極的問題解決スタイルの保持の程度について,これまでの研究結果の確認および補強がなされ,これらの要因と精神的健康との関連性を検討するための1つの準備段階が整った。
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