2006 Fiscal Year Annual Research Report
ネガティブな出来事に対する原因帰属と対処行動が精神的健康に及ぼす効果
Project/Area Number |
17730416
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
三宅 幹子 福山大学, 人間文化学部, 助教授 (80352061)
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Keywords | 原因帰属 / 対処行動 / 精神的健康 / 自己効力感 |
Research Abstract |
1.達成領域での,ネガティブな出来事に対する原因帰属の検討(研究1) 昨年度までに収集したデータ(大学生男女約半数程度ずつ)を用いて,達成領域でのネガティブ場面(レポートで良くない評価を受ける場面)での原因帰属と対処行動との関連,および原因帰属様式について,以下のような分析を実施した。 (1)ネガティブな出来事に対する原因帰属の特徴の分析については,対処方法との関連において性差がみられ,男性では,統制可能な要因に強く帰属するほど積極的対処方法をとろうとするのに対し,女性では,偶発的要因(時間や体調)に強く帰属するほど積極的対処方法をとろうとすることが示された。 (2)クラスター分析による原因帰属様式の類型化については,男女別に検討を行ったところ,男女共通に分類された群は,外的要因・偶発的要因に強く帰属する群,能力に比較的強く帰属する群,どの要因への帰属も比較的強い群(多様な要因に帰属する群)であり,相違がみられたのは,男性では統制可能な要因にのみ強く帰属する群がみいだされたのに対し,女性では,統制可能要因と偶発的要因の2つの要因に強く帰属する群がみいだされた。 2.達成領域での,精神的健康と原因帰属様式,対処行動との関連性の検討(研究3) 精神的健康を測定するための指標として,ベック絶望感尺度を用い,達成領域のネガティブ場面について,原因帰属様式,対処行動と精神的健康の関連性を検討するためのデータの一部を収集し終えた。
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