2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730417
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Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
藤原 裕弥 東亜大学, 総合人間・文化学部, 講師 (20368822)
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Keywords | 不安 / 注意 / 無意識性 / 処理資源 / 視線追跡 / アイコンタクト |
Research Abstract |
不安時の視覚的注意処理について検討することを目的として、大きく2つの研究を行った。 1つめは、不安における注意処理の処理段階について明らかにする研究であった。先行研究では、不安における注意処理は自動的処理であると考えられてきた。不安における注意処理が自動的処理であるためには、不随意性、無意識性、処理資源を必要としない、という3つの条件を満たす必要がある。そこで実験1では、注意処理の無意識性を検討するために、高不安者と低不安者に刺激を閾下・閾上呈示して、脅威情報に対する注意バイアスが認められるか検討した。その結果、刺激を閾下呈示した場合には注意バイアスが認められなかったことから、注意バイアスの無意識性は支持されなかった。実験2では、注意検討課題中に二重課題を行うことで、注意バイアスが処理資源を必要とする処理であるか検討した。その結果、二重課題によって処理資源を奪う条件では、注意バイアスが認められなかったことから、注意バイアス生起に処理資源が必要であるということがわかった。以上の実験から、注意バイアスは自動的処理でない可能性が示された。 2つめは、不安における注意処理の時間的変化について検討する研究であった。先行研究で用いられてきた注意検討課題(dot-probe探査課題)は、ある時点での注意の向きしか測定できなかったため、本研究では視線追跡装置を用いて不安時の注意の時間的変化を測定した。実験1では、脅威刺激1つを含む6つの刺激群を呈示し、高不安者と低不安者の視線を測定した。その結果、高不安者は低不安者に比べて、脅威情報に視線が向けられた直後、脅威刺激から視線を回避することがわかった。実験2では、表情刺激(怒り、喜び、中性)に対する高対人不安者と低対人不安者の視線移動について検討した。その結果、高対人不安者は情動表情に対してアイコンタクトの回避を示すことがわかった。
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Research Products
(2 results)