2006 Fiscal Year Annual Research Report
出産前女性へParentTrainingProgramを適用した予防介入的研究
Project/Area Number |
17730418
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Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
坂田 和子 福岡女学院大学, 人間関係学部, 准教授 (50321344)
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Keywords | 妊娠期 / Parent Training / 発達心理学的視点 / 家族心理学的視点 / マタニティ講座 / 養育スキル / 予防介入 / 子どもの発達 |
Research Abstract |
本年度は、青年期女性を対象としたParent Training Programを参考に、妊娠期女性を対象としたプログラムを作成し、実施可能なプログラムとするためにマタニティ講座でプログラムを実施し、内容の検討を行った。 青年期女性を対象とした調査では、心理教育を13回実践した後に、子どもへの見方の変化と心理教育の重要性についての評価に変化があり、養育に関する知識や認識に関する評定は少しではあるがあがる傾向にあった。また、Parent Training Programを実施する時期について、心理教育を行う前よりも行った後の方が、より年少の時代に心理教育を受けることを望む傾向が見られていた。 これらの結果を踏まえ、妊娠期女性を対象に(行政主催のマタニティ講座にて報告者の講座を受けている者)Parent Training Programを行い、導入時期について回答を求めたところ、青年期女性とは異なり「妊娠している今の時期」をあげていた。また、自由記述により、妊娠期女性(特に初産婦)は出産に関して大きな不安を抱えていること、出産をゴールとして捉えていること、出産後の養育については考えることができていないこと、妊娠し産休を取得することによってあらためて妊娠・出産・育児について考えることができていること、地域とのつながりが薄い中での育児を想定していること、などが明らかになった。 出産前プログラムとして青年期女性と妊娠期女性はそれぞれにParent Training Programを作成する必要があり、さらに青年期女性に関しては、家族をつくる前の段階であるため、家族心理学的視点を導入し、社会(集団)の中の一つのシステムとして家族をとらえ、新しい家族の中で子どもを育てていくこと、子どもが発達して中集団や大集団さらには地域に所属していく基盤として、家族の中での子どもとのかかわり方が重要となること、それらの実際のかかわり方として養育スキルを位置づけていくことなどをプログラムに取り入れ、さらに妊娠期女性については子どもの発達に関するセッションを増やし、乳児期、幼児期、児童期、青年期について詳細に検討するとともに、親の発達を加え、子どもが産まれて家族が始まる時点からの発達やスキルについてParent Training Programの一部に入れる可能性について示唆した。
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