2005 Fiscal Year Annual Research Report
車載情報機器利用による運転者の心的負担の時間的特性と個人差に関する研究
Project/Area Number |
17730430
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 一光 大阪大学, 人間科学研究科, 助教授 (60260642)
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Keywords | 自動車運転 / 注意転導 / 情報機器 / 運転シミュレーション / 注意の個人差 |
Research Abstract |
・カーナビの車載モニタから提示される情報を獲得した場合に、情報を読み取った直後から一定の時間の間、自分の前方での視覚刺激の検出が遅くなる、という現象を「持続的注意転導効果」と命名し、その効果が時間経過に伴ってどのように変化するかについて実験的に検討を行った。先行研究から予測されたように情報を読み取った後視覚刺激に対する反応は遅くなったことから妨害的な持続的注意転導効果が見られ、また読み取るべき情報の量が多いほどその妨害的効果は大きくなることが示された。この成果を論文で公表した。 ・運転シミュレーションシステム(DS)の改良を行い、運転しながら前方視野の中のいずれかの場所にランダムにあらわれる視覚刺激を検出し、さらに言語的記憶課題を行うという実験の準備と試験的試行を行った。視覚刺激の検出反応時間と測定・記録および運転中の車両の挙動や周囲の状況をDSにより記録し、また言語課題に対する反応をビデオ記録することによって、運転状況と認知的負荷の関連性を検討できるようになった。また、DS運転時に指尖容積脈派を測定するための装置を導入し、運転中のメンタルワークロードの変動を生理的に測定できるようにした。このDSは他の研究資金によってより広い環境を表示できるようにするというハードウェア上の拡張が行われており、この機能拡張も考慮して来年度の実験実施に向けての準備を行うことができた。 ・注意機能の個人差を測定するため、先行研究の中で作成してきた日常的注意経験質問紙の分析と項目の再検討などをさらに進め、注意集中能力、注意制御能力、ながら作業傾向、注意点同の起こりやすさの4因子について測定する質問紙(32項目を含む)を作成した。質問紙と課題パフォーマンスの関連性について検討を行った。
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