2006 Fiscal Year Annual Research Report
教員養成系大学・学部の「生き残り戦略」に関する史的研究
Project/Area Number |
17730448
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
佐久間 亜紀 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (60334463)
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Keywords | 教師数育 / 師範学校 / 教員養成系大学・学部 / ジェンダー / 女性教師 |
Research Abstract |
平成18年度は、3年間の研究計画の2年次である。 本年度は、研究計画調書に記入した第二期を対象として研究をおこなった。すなわち、19世紀中葉から後半にかけて、教師教育批判によって各州立師範学校が多様な戦略を打ち出した時期を対象に、特にフラミンハム州立師範学校を対象に史料の分析をおこなった。検討の結果、初期の州立師範学校には、当初予想されていたよりも多くの女性が教員として勤務しており、19世紀後半のほうが、20世紀よりもファカルティにしめる女性教員の割合が高いことが明らかになった。この意義を、『教師教育改革のゆくえ-現状・課題・提言』(共著・創風社)としてまとめ、出版した。さらに、現在『叢書 比較教育社会史 ジェンダーと高等教育』(仮題・共著・昭和堂)および『転換期の教師』(共著・放送大学教育振興会)の二冊を刊行準備中である。 また、研究成果の一部を8月中旬にハンガリー・ブタペストで開催された国際学会International Reading Association World Congressにおいて、発表した。 さらに、アメリカの教師教育史に関する本研究の副次的成果として、米国の免許更新制度成立史の検討を続けた。安倍政権が発足し、戦後未曾有の急ピッチで教育改革が進んでいる政治的状況を鑑み、朝日新聞・東京新聞はじめ、本研究成果から導かれる知見を、各新聞・雑誌上において積極的に発言し、政策提言をおこなった。 来年度は、研究計画調書に記入した第三期について、引き続き研究をおこなってゆく。
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