Research Abstract |
前々年,前年から継続して,戦後初期の小・中学校が作成したカリキュラム計画(プラン)の冊子,研究紀要,学習指導案集ほか(以下,「プラン」冊子類)の閲覧・収集を行い,国立教育政策研究所,館山市北条小学校,千葉県総合教育センター,兵庫県立教育研修所,東京学芸大学附属図書館,成蹊学園史料館,東京都港区生涯学習センターばるーん,東京都港区教育センター,および獨協大学安井一郎研究室,広島大学木村博-研究室,社会認識教育学講座,お茶の水女子大学冨士原紀絵研究室,横浜市立大学高橋寛人研究室ほかを訪問し,熊本大学附属中学校元教師ほかから史資料をお送り頂いた。 3年間で発見できた約200校分,総計900冊近くの「プラン」冊子類のリスト,およびその過程で特定できたコア・カリキュラム関係校ほか190以上の団体のリストを作成し,日本教育学会大会で,当時の諸プラン」の形態上の傾向,今後の課題とともに発表した。 加えて,インタビューを,戦後初期にコア・カリキュラムを作成した館山市北条小学校の元教師3名他,横浜市石川小学校の元教師2名他(うち1名には2度),中野光・中央大学他元教授,「上越教師の会」元教師2名(うち1名には2度),香川大学附属坂出小学校・香社研青年グループ元教師2名(2度)に行い,録音し,テープ起こし稿を作成した。 2年にわたって兵庫県旧加東郡の元教師5名に行ってきたインタビューを集大成し,うち2名にその草稿をもとに対談をして頂いて,論文を執筆した。ある学校の「プラン」冊子類とインタビューのテープ起こし記録を突き合わせることで,カリキュラム全体を構成した経験が,研修の意味も持ったことが具体的に明らかとなった。なお,戦前・戦後の教育課程史を通観した雑誌論文と教職課程テキストの一章分を執筆し,さらに2008年4月現在,以上の史資料と研究成果に言及した論文を2本執筆中で,ほか数本を構想中である。
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