2005 Fiscal Year Annual Research Report
生涯学習構座修了生の社会活動とQOL-ソーシャルリソースとしての高齢者-
Project/Area Number |
17730461
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
福島 朋子 いわき明星大学, 人文学部, 助教授 (10285687)
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Keywords | 生涯学習講座 / 高齢者 / ソーシャルリソース / QOL |
Research Abstract |
本研究は、高齢者向けの生涯学習講座の修了生のその後を追跡し、生涯学習講座終了後の社会活動と、修了生自身の生きがいやQOLなどとその関連を把握しようとすることを目的とするものである。 調査は、M県内にある高齢者(60歳以上)向け生涯学習講座をフィールドとした。この講座では、終了後、同窓会組織だけでなく、修了生の自発的なサークル活動に対して場所・人的資源の提供などの支援を行っている。この講座の修了生40名を対象とし、生涯学習活動への満足度や感想、終了後の生活や社会活動、生きがいや生活満足感などについて調査を行った。本年度の調査の主な結果は以下の通りである。 (1)参加した生涯学習講座への満足度が高く、その中で友人関係を築けた者ほど終了後の同窓会組織やサークル活動に積極的に参加する傾向にある。 講座の学びをその後に生かせるか否かは、講座への適応感が大きく影響していると考えられる。 (2)終了後の自主サークルで人気がありかつ活発に活動が行われているものは、この地域の特徴である七夕祭りに参加するための七夕作成と、お祭りの参加・企画、幼稚園・小学校での地域文化伝承活動(昔の遊びの実演や民話の語りなど)である。特に、お互いに、もしくは子どもたちに何かを「教える」活動は常に人気があり、参加者の人数も多い。これは、人生を生きてきた誇りの高さと、次世代に何かを伝えたいという気持ちの表れととることができるであろう。このような活動への参加によって、実際に対人関係や生きがいなどがどのように変化しているのかは、今後の調査の課題である。
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