イギリス地域博物館の教育活動と1990年代以降の制度的変容に関する研究

2006 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17730469
• Research Institution: Yamawaki Gakuen Junior College
• Principal Investigator: 久保内 加菜 山脇学園短期大学, 家政科, 専任講師 (60389880)
• Keywords: イギリス / 地域博物館

Research Abstract

平成17年度の成果をふまえ、主に以下の2分野の調査研究を行った。
(1)文献調査による基礎理論研究
平成17年度の調査研究を継続し、イギリスの地域博物館の教育制度および行政施策に関する現状と課題の整理を行った。特にイングランドは政府機関(MLA)の「地域のルネッサンス」事業により、第1期ハブの事業の評価と同時に第2期ハブによる計画・実践が進展している。9つのハブの事業評価または計画、主要な博物館の実践、同時に関連する機関に関する文献資料の収集・整理を行った。その他、スコットランドの政府機関(SMC)は生涯学習の理念を軸に若者の教育・雇用や学校教育との連携を含めた博物館政策を展開している。SMCなど政府機関、主要都市の博物館部局に関する文献収集・整理を行った。
(2)博物館活動に関する調査研究
特に次の4つの領域に関して資料収集・ヒアリング(5カ所)を含めた調査研究を行った。
(a)イングランドの政府機関(MLA)、9つの地域機関(RAS)による「地域のルネッサンス」事業および新規の博物館認証制度の普及・拡大に関する実態把握。第1期ハブにあたる北東地区の地域機関、西ミッドランド地区のマンチェスター市、第2期のオックスフォード市に関する調査。
(b)スコットランドの政府機関(SMC)による博物館政策とエディンバラ、グラスゴー市の博物館の教育活動に関する実態把握。
(c)イギリス博物館協会(MA)、国立博物館館長会議、博物館教育グループ(GEM)が作成した指針・提言の内容と影響の把握。
(d)社会的包括(インクルージョン)政策やコミュニティー教育を背景とする博物館による若者対象の教育実践と、諸活動を支える制度の把握。
(e)学校教育との連携。演劇やワークショップなど、体験を軸としたプログラムの実態の把握。