2006 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの主体的な育ちを支える保育の「場」の在りように関する関係論的分析
Project/Area Number |
17730470
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Research Institution | Den-en Chofu University |
Principal Investigator |
高嶋 景子 田園調布学園大学, 人間福祉学部, 専任講師 (90369463)
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Keywords | 保育 / 場 / 正統的周辺参加論 / 参加 / 環境 / 関係論的分析 / 活動媒体 / 対話性 |
Research Abstract |
幼稚園や保育所などの保育現場における子どもたちの発達的変化について、その「場」を構成するさまざまな構成要素(そこに関与するあらゆる人々や物的環境、その他空間的条件など)を含んだ活動システム全体の変化に着目しつつ分析し、そうした変化を生み出す可能性が多様に埋め込まれた「場」の在りようを明らかにすることによって、子どもの主体的な育ちを支え得る保育の在りようについて考察することが本研究の目的である。 幼稚園における継続的なフィールドワークを通して、入園当初、他児とのかかわりに難しさを抱えていた対象児A児の変容過程に関する縦断的観察を行い、ビデオ記録を基に分析及び考察を行ってきた。現在、そのかかわりの広がっていった過程とそれが阻害されていたケースとの分析を通して、子どもたちの活動の展開やそこでの多様な関係の広がりを助ける背景にあるものの探究を試みている。子どもたちの活動の展開を助ける「場」の構造の特徴の一つとしては、その活動を媒介とする「活動媒体」として活用される「資源」の持っている特性が挙げられており、その「資源」の持つ読替え可能性が、それぞれの子どもたちが自分なりの文脈で活用していくことのできる「活動媒体」としての活用を可能とすると考えられる。しかし、それだけではなく、それぞれの子どもたちの文脈の発信を支える多様な他者との関係構造やその他の環境条件等も大きくかかわっていることが見えてきており、今後は、それらの関係を持っている「対話性」とその対話を活性化させる「親密性」とに焦点を当てつつ、子どもたちの活動の広がりや関係の変容をより起こりやすくする「場」の在りようについて、理論的精緻化を図ることとする。また、最終年度となる今年度は、それらの研究成果について学会発表を行う予定である。
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