2006 Fiscal Year Annual Research Report
心理主義化する現代日本と子どもたちの人間関係の現在
Project/Area Number |
17730486
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
小針 誠 同志社女子大学, 現代社会学部, 講師 (90388067)
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Keywords | 心理主義 / 友人関係 / 中学生 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の通りである。 (1)学会報告・論文発表・・・高校生を対象とした質問紙調査の再分析をもとに、「現代日本の心理主義化と高校生の友人関係」と題して、第13回日本子ども社会学会で発表した(小針の単独報告)。本報告は加筆修正のうえ、同タイトルで『同志社女子大学学術研究年報』第57巻に掲載された。 このほか、第58回日本教育社会学会でも木村祐子(お茶の水女子大学大学院生)との共同研究の成果を報告した(発表者は木村のみ)。同発表では、少年犯罪など様々な教育・子ども・社会問題に対する原因帰属を「こころ」に帰す心理主義化についての言説分析を行った。このほか、戦前期における私立小学校の入学選抜考査関連の学校所蔵史料を用いて、私立小学校の入学選抜における評価のメカニズムを明らかにした論文を発表した(『子ども社会研究』日本子ども社会学会誌・第12号)。同論文では入学志願者の子どもたちへの評価の方法と合否決定のメカニズム、そしてその困難さゆえに生じた逆説を、研究課題である心理主義の理論枠組みから説明を試みた。 (2)質問紙調査の実施・・・2006年12月〜07年1月にかけて、中部地方の中学校計5校の2年生1,094名を対象とした質問紙調査「現代の中学生の日常生活と人間関係に関する調査」を実施した。調査票の内容は、中学生の日常生活を問うものであると同時に、心理主義的な知識や実践あるいは人間関係(友人関係・親子関係)などを問う項目を含んだものである。その分析結果は、来年度の日本教育社会学会大会をはじめとする複数の学会で報告し、その内容に加筆修正を加えつつ、学術論文(学会誌や紀要など)として発表する予定である。
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Research Products
(4 results)