2005 Fiscal Year Annual Research Report
英語授業における生徒の自己介入を促進する文法指導の有効性
Project/Area Number |
17730496
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
田中 武夫 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (50324174)
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Keywords | 文法指導 / 英語授業 / 自己介入 |
Research Abstract |
本研究の目的は、文法規則を一方的に学習者に提示するような従来の文法説明よりも、学習者の自己介入を促す文法説明が認知的かつ情意的に優れた特徴をもち、学習者の文法規則に関する明示的知識の保持、および、言語使用にとって効果的ではないかとの仮説を立て、その文法説明における指導方法を提示し、その指導方法の検証を行い、英語授業における効果的な文法説明のあり方の一つを提案することである。ここでの、生徒の自己介入を促した文法指導とは、学習者に当該規則と自己を強く関連づけさせる文脈を提示し、どのように文法規則を用い表現すれば伝えたい意味を正確に伝えることができるかを思考させ、その後に当該規則を提示し、その有用性に気づかせ主体的な学びを促す指導をさす。本年度は、文法指導に関するこれまでの先行研究を整理し、本研究の独自の主張と仮説を立てるため情報収集を行った。その結果、外国語教育におけるこれまでの研究動向をみると、これまでの文法指導の主な議論の中心は、文法指導が文法規則の習得に効果があるかどうかという議論と、文法規則の提示を行う演繹的指導と言語サンプルから規則を発見させる帰納的指導ではどちらが効果的であるかという比較検討にあり、大きく見て、この2つの文法指導の形態について比較検証が行われてきた流れがある。文法指導の一部である教師の行う文法説明のあり方については具体的な方法に関する深い議論は、まだ十分に行われているとは言えないことが分かった。今後の方向性としては、どのように文法規則を提示すべきか、文法規則の具体的な提示方法に着目するため、「自己準拠」、「自己選択」、「自己生成」などといったキーワードで、文法規則の学習過程に学習者を介入させる文法規則の提示方法のあり方を考察する予定である。
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