2006 Fiscal Year Annual Research Report
オランダの初等・中等教育における英語教育の連携に関する研究
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17730502
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
猫田 和明 山口大学, 教育学部, 講師 (90379917)
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Keywords | 英語 / 教育学 / オランダ / 連携 / CEFR / ELP |
Research Abstract |
平成18年度(3年計画の2年目)は、現地でのフィールド調査に基づいて、Common European Framework of Reference (CEFR)を基盤として開発されたオランダのEuropean Language Portfolio (ELP)(http://WWW.europeestaalportfolio.nl)が初等・中等教育のカリキュラムの連続性をどのように高めるのかという視点から理論的に考察し、中国四国教育学会に於いて口頭発表を行った。これを論文化したものは査読審査中である。具体的には、教授・学習の成果に関する情報の共有、学習者を中心としたカリキュラムの共有、教授・学習におけるアプローチの共有という3つの観点から総合的に連続性が高められる。現地滞在中は、アムステルダム大学とオランダ政府系のカリキュラム開発機関(SLO)から臨時の研究室を提供してもらうことができ、現地の研究者と情報交換や討議をしながら資料収集を行い、教員養成機関や学校への視察を精力的に行った。一般の初等・中等学校ではELPの認知度は必ずしも高くないが、自立学習の方針を掲げているダルトンスクールや、小学校段階で長期にわたる英語教育(8年間)を行っている学校等ではより積極的に導入される傾向がある。ELPがカリキュラムの連続性を高めるツールとして真価を発揮するためには、これを学校教育のカリキュラムの中に位置づけることが重要である。目的・目標、修了試験、教科書等をCEFRの参照レベルと関連づけるとともに、教員養成・研修において教員(を目指す者)が学習者の立場からELPを活用できる機会を提供するなど、多面的な取り組みを通してELPを導入していくことの必要性が示唆される。
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