2006 Fiscal Year Annual Research Report
学校コミュニティの形成を目指したカリキュラム・デザイン
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17730507
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
荒木 寿友 同志社女子大学, 現代社会学部, 准教授 (80369610)
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Keywords | 学び / 教師の役割 / 道徳性発達 / 異文化理解教育 |
Research Abstract |
前年度は、学校コミュニティ形成の基盤として、2006年7月に同志社女子大学聡恵館を使用し、大学にこどもを招いてさまざまな「学び」を実践する機会を設けた。本企画の目的は「大学」という空間を用いて、いかにこどもたちに「学び」を提供するかにあった。一昨年度、ワークショップ形式の「学び」について研究を行ったが、昨年度もワークショップ形式を採用し、段ボールを用いた制作活動を通じて、こどもたちが仲間や親、学生らと語り合い、振り返るという「学び」の活動を行うことができた。 次に、アメリカ道徳教育学会(於;スイス)にて"The Role of Teacher in Moral Education on Lawrence Kohlberg"発表を行った。この発表ではコールバーグの道徳教育論に基づきながら、教師は発達の促進者であると同時に、こどもたちにとっては権威者であり、さらに、こどもたちの声に積極的に耳を傾ける傾聴者(カウンセラー的な)の役割があるとした。権威者とは、こどもからの尊敬やこども同士の争いを調停することに基づくものであり、決して教師が有するさまざまな「権力」を振りかざすものではないことを示した。 また日本教育心理学会において、シンポジウム「道徳性心理学研究に異文化理解をどう位置づけるか」の中の話題提供者として「異文化理解教育と道徳性発達」と題して発表を行った。今回の話題提供では、まず、「異文化」を「理解する」とはどういう意味があるかについて論じた。異文化とは国境や人種にかかわらず、他者すべてが異文化に該当する可能性があることを示した上で、その異文化をどのように「理解」していくかについて、道徳性発達理論に基づきながら、そのメカニズムを提示した。そして、その際、発達段階上の慣習的水準が異文化を阻害する可能性があると論じ、教室における対話活動が慣習的水準を超える要素を持つものであると示した。
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Research Products
(1 results)