2006 Fiscal Year Annual Research Report
吃音を持つ児童生徒に対する教育的指導支援プログラムの開発
Project/Area Number |
17730515
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 宏明 金沢大学, 教育学部, 助教授 (50334024)
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Keywords | 教育系心理学 / 吃音 / 児童生徒 / 教育的指導支援 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小中学校に設置されている言語障害児通級指導教室(ことばの教室)での使用を前提とした吃音を持つ児童生徒の教育的指導支援プログラムの開発することである。プログラム開発にあたっては、言語発達、認知発達、運動発達、情緒・心理面の状況、周囲の環境要因など、児童生徒を包括的に捉えた総合的なものとなるように考慮する。また、個別指導プログラムについては、構音障害等を併せ持つ事例を含めることとする。本年度は、3年計画の2年目にあたり、研究計画に基づき以下のような研究を実施した。 1 昨年度作成したプログラム試案に基づき、吃音がある児童生徒に対して試行的な吃音指導支援を実施し、その成果と問題点について検討を加えた。指導事例は、個別指導プログラムを使用するもの6例(小学校低学年3例、小学校中学年1例、中学生2例、構音障害を併せ持つ生徒1名を含む)、集団指導プログラム1例(小学校中学年1例)について実施された。その結果、小学校低学年においては、環境調整や情緒、心理面に対する間接的な方法が小学校中学年以降に比べてより効果的であること、小学校中学年以降は発話練習や吃音についての話し合いなどより直接的な指導が必要になること、面接や劇遊びなど児童生徒の興味関心が高くかつ他者を意識した発話課題が教材として有用であることなどが明らかになった。 2 国内外の吃音指導支援プログラムの知見や、1のプログラム試案に基づく吃音指導支援の試行結果に基づき、本プログラムで用いる吃音評価方法の検討(初回時に用いる問診票の作成や検査バッテリーの策定等)や評価用紙・教材等の試案の作成(絵カードや音読課題、情緒・心理面の改善を意図した課題等)を行った。これらの試案は、来年度の研究の中で内容の検証やさらなる充実を図る予定である。
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Research Products
(1 results)