Research Abstract |
本研究では,慢性疾患患児のコーピングの変容を促し,患児のストレス反応を低減する効果を検討することにより,効果的な介入プログラムの構築を検証し,関係者が利用することが容易なストレスマネジメントプログラムの作成を目的としている。19年度では,前年度までの調査の知見(ストレス反応を低減するためには,(1)用いている対処法略が,ストレス反応に影響を与えていることを,愚児自らが理解すること,(2)ストレス反応低減に効果があるコーピングと考えながらも,それを使用しない理由を明らかにすることが重要であること)を参考とし,主に特別支援学校の教師を対象として,慢性疾患患児の心理的ストレス支援の方法について提示を行い,得られたフィードバックに基づいて,効果的な介入プログラムの検証を繰り返し行なった。得られた回答には,改善点も指摘されていたが,肯定的な評価が多数を占めていた。また,前年度までの調査においては,調査対象が腎疾患患児を中心としたものであったが,文献的検討により,小児がん,気管支喘息,糖尿病などの異なる疾患の性質や心理的特徴を明らかとし,さまざまな疾患に対応可能なプログラムの検討を行ない,長期にわたって効果が持続すると考えられるストレスマネジメントプログラムを提言した。 現在,医療スタッフ,学校関係者,家族などの関係者が利用することの出来る,慢性疾患患児のストレスマネジメントのための平易な冊子を作成中であり,さらに,慢性疾患患児のストレスマネジメントの重要性を広く発信するために,WEB上にて公開するための準備を進めているところである。
|