2005 Fiscal Year Annual Research Report
初等・中等教育のユニバーサルデザイン化〜教員・児童生徒への福祉情報技術支援〜
Project/Area Number |
17730519
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
巖淵 守 広島大学, 大学院教育学研究科, 講師 (80335710)
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Keywords | 初等・中等教育 / ユニバーサルデザイン / 福祉情報技術 / 特別支援教育 / 支援技術 |
Research Abstract |
本年度は,初等・中等教育に役立つ福祉情報技術に対するニーズを把握し,それら技術を用いた支援方法の情報を効果的に提供できるデータベースのプロトタイプを作成することを目的に以下の通り実施した。 (1)障害のある児童・生徒,家族,教員を対象とした教育に役立つ福祉情報技術ワークショップを開催し,アンケート調査を実施した。また,広島大学に在学する障害のある学生に対して福祉情報技術の利用・支援に関するインタビュー調査を実施した。福祉情報技術へのニーズは初等・中等教育の場において非常に高いものの,その情報の入手方法や実際の機器の利用方法がわからないという現状が明らかになった。また,ある障害向けに開発された機器が,その障害を持っていても必ずしも便利でない場合があることが指摘され,支援を考える上で実際の利用に関するデータを収集することの重要性が示された。 (2)教育のユニバーサルデザイン化に関する国内外における先行研究の文献資料を収集し,福祉情報技術利用について体系的に整理した。それら技術と人的な支援方法をユニバーサルデザイン,バリアフリーの観点から分類した表により,障害の枠を超えて便利な機器が存在すること,欧米において学習障害・発達障害のある子どもに対する福祉情報技術の先行した活用が見られることが示された。 (3)福祉情報技術に関する情報をインターネット上で提供する際の映像の有効性ついて,認知の観点から実験を行った。また,以上で得られた結果を元に,福祉情報技術支援に関するデータベースのプロトタイプを作成し,障害のある生徒の福祉情報技術支援を試験的に開始した。 以上の結果を踏まえ,最終年度となる来年度は,福祉情報技術支援に関するデータベースを完成させ,支援体制を充実できるようさらに検討を進めたい。
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Research Products
(1 results)