2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740018
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
堤 裕之 大阪体育大学, 体育学部, 講師 (10304255)
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Keywords | 保型微分方程式 / 保型形式 / 超幾何級数 |
Research Abstract |
Full modular groupの任意の元に関する双有理変換と複素上半平面で定義された有理型函数を係数として持つ高階の確定特異型複素常微分方程式を考える。この複素微分方程式の任意の解である上半平面上の有理型函数に対して、上記双有理変換に関する重み付き保型変換を行なった函数が再び同じ複素微分方程式を満たす、即ち、微分方程式の解空間が、Full modular groupに関する重み付きの保型変換に関する作用について不変であるとする。このとき、我々はこの複素微分方程式をFull modular groupに関する重みを持つ保型微分方程式と呼ぶこととする。 前年度までに代表者は、Full modular groupの楕円点、及び尖点にのみ特異点を持つ重さ整数の2階の保型微分方程式を取り上げ、その微分方程式の尖点近傍の厳密解をEisenstein級数とGaussの超幾何級数を用い表示することに成功した。この表示は無限遠点の尖点に対する局所的なものである。本年度は特に、複素上半平面における微分方程式の大域的振舞いを決定することに努力を傾け、現在のところ、全ての必要な局所解をほぼ、求め終わった段階にある。次に取り組むべきは、局所解の接続問題である。しかし、この問題については、当初の目論見どおりには進んでいない。その理由は、研究代表者の研究環境が激変したことである。本年度、研究代表者は大阪体育大学に所属を移した。そのため、今まで利用できた図書、データベース、論文が利用できなくなり、また、各種計算環境も最初から構築しなおさざるを得なかった。現在のところ、この研究環境の再構築がある程度終わり、再び上記問題に取り組む準備を行っている段階である。
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