2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740019
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
安部 利之 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (30380215)
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Keywords | 頂点作用素代数 / 表現論 / 共形場理論 |
Research Abstract |
本年度は,研究目的の一つである頂点作用素代数の超選択則から派生した問題について取り組んだ. 超選択則と頂点作用素代数の加群の間のテンソル積の間には自然な関係があると考えられるが,そのテンソル積との関連から,筑波大学の宮本雅彦教授が頂点作用素代数に付随し得られるホモロジー加群を導入した.このホモロジー加群は有理的な頂点作用素代数では自明となり,そうでなければ非自明になる.そこで昨年度構成した新しい頂点作用素代数について,このホモロジー加群を計算し,完全に決定した.このホモロジー加群は,現在のところ単なる例でしかなく,この結果のみでは研究業績としては不十分ではあるが,その現れ方からテンソル積の理論と密接に関わることが期待されており,その結果,頂点作用素代数の有理性が頂点作用素代数の構造のみから帰結されるという,研究目的の一つである超選択則とも密接に関係している. 一方で現在,Frenkel-Zhuによる頂点作用素代数に付随するZhu代数の両側加群を更に一般の場合に拡張し,その観点から超選択則へアプローチしている.この両側加群に関しては,その導入以来,よく研究されたとは言い難く,その一般化の研究から新しい観点が得られると期待している.
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